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小林多喜二 「一九二八・三・一五 」…蟻の大軍が河を渡る、、

自分達の社会が来る迄、こんな事が何百遍あったとしても、足りない事をお由は知っていた。そういう社会を来させるために、自分達は次に来る者達の「踏台」になって、さらし首にならなければならないかも知れない。蟻の大軍が移住をする時、前方に渡らなければならない河があると、先頭の方の蟻がドシドシ川に入って、重なり合って溺死し、後から来る者をその自分達の屍
を橋に渡してやる、ということを聞いた事があった。その先頭の蟻こそ自分達でなければならない、組合の若い人達がよくその話をした。そしてそれこそ必要なことだった。
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by kenagena38 | 2015-05-28 10:26
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